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一人で守り続けている和紙
- 2015/3/12
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一昨年、ユネスコの無形文化遺産に登録された和紙:日本の手漉和紙技術。 登録されたのは国の重要無形文化財に指定されている細川紙(埼玉県小川町、東秩父村)、本美濃紙(岐阜県美濃市)、石州半紙(島根県浜田市)。ともに「産地に暮らすすべての人々が和紙作りの伝統に誇りを持っている」と評価されたそうです。 その和紙を仙台市内で作り続けている方がいらっしゃいました。 街ナビプレス仙台Vol.99 3月号の特集「春の街に出かけよう!~icscaで行こう春の小さな旅~」でご紹介した「柳生和紙工房」です。 伊達政宗の命により製作が始まった400年以上の歴史を持つ柳生和紙。この和紙を今でも作り続けているのが、太白区柳生地域でたった1軒となった「柳生和紙工房の佐藤ふみゑさん。明治から大正の全盛期は柳生地域に400件以上あった紙すきを行う農家も、今では佐藤さんただ一人とのこと。 取材の日、説明をしながら和紙漉きの技術を見せてくれました。 たくさんの手間と時間がかかる紙漉きは、かなりの重労働。慣れた手つきでひとつひとつ作業をこなしていく。 たっぷりの水を含んだ漉いたばかりの卒業証書用の和紙。丁寧に重ねられ乾燥を待つばかり。 柳生和紙は主にはがき、便箋、一筆箋などに利用されていますが、近隣の小中学校の卒業証書にも佐藤さんが漉いた柳生和紙が用いられているそうです。地場で作られた和紙の卒業証書を手にできる卒業生、喜びの笑顔と一緒に大切な宝物として持ち続けてくれることでしょう。ちょっと羨ましい感じです。 偶然ながらも、街ナビプレス仙台では、2号にわたって日本、仙台が守り続けてきた文化財に触れることができました。 Vol.98号の無形文化遺産「和食」と切っても切り離せない「仙台味噌」。そして今回Vol.99号の無形文化遺産「日本の手漉和紙技術」に並ぶ「柳生和紙工房の手漉き和紙」。 東日本大震災から4年。まだまだ復興は続きますが、歴史とともに受け継がれている身近な文化を大切に守っていくことも復興につながるのではないでしょうか。