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新しいものを取り入れながら、未来へと繋いでいく和楽器職人の技【プレス深掘版】

普段は秋田店の代表としての責務を果たしている次男の久史さん(左)。兄弟で並んで楽器の手入れに勤しむ光景は頼もしいもの。お互いに刺激しながら切磋琢磨して伝統の技を磨いている

普段は秋田店の代表としての責務を果たしている次男の久史さん(左)。兄弟で並んで楽器の手入れに勤しむ光景は頼もしいもの。お互いに刺激しながら切磋琢磨して伝統の技を磨いている

 仙台の和楽器店といえば、その名がまっさきに挙がる「梅屋楽器店」。85年にわたってこの場所で琴、三味線を中心に太鼓、尺八などの和楽器を販売している。
 現在、仙台店を任されるのは3代目の梅原一男さん。弟の久史さんは、秋田店を任されている。ふたりとも、高校を卒業後、東京と広島で修行をしたそうだが「あまり長くは預かってもらえないんですよ。だから、言葉は悪いですけど“習うより、見て盗め”でした」と久史さん。一男さんは「今は機械化も進んでいますので、いつまでも昔のやり方に固執していてはいけない。守るべきものは守り、新しく取り入れるべきは取り入れる、という姿勢が必要ですね」と。久史さんは「一番は、お客さまの好みに合わせるということですね。今は、津軽三味線の演者さんもロックバンドと組んだりして、微妙な音を求められることも多いので、なかなか大変なんですよ」と笑う。

寡黙な職人という言葉が似合う長男の一男さん。仙台店の大黒柱である。「お客様の要望に応えて弦の張り替えや調整を行うことの難しさから、先代や先々代の技の凄さを悟りました」と

寡黙な職人という言葉が似合う長男の一男さん。仙台店の大黒柱である。「お客様の要望に応えて弦の張り替えや調整を行うことの難しさから、先代や先々代の技の凄さを悟りました」と

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「何度やっても納得できる仕上がりにするのは難しいんです」と語る久史さんの手元は、スムーズに琴の弦を張り替えていく

「何度やっても納得できる仕上がりにするのは難しいんです」と語る久史さんの手元は、スムーズに琴の弦を張り替えていく

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兄弟のお母様である女将さんの着物姿が印象的

兄弟のお母様である女将さんの着物姿が印象的

 伝統的和楽器に使用されてきた材料の不足も、職人を悩ませることのひとつだ。東京芸術大学の教授らとともに、次世代の三味線を研究している久史さんは、「ご存知のように、三味線には犬や猫の皮が使用されていますが、猫が愛玩動物であることから輸入品もグッと少なくなっているんです。また、東京オリンピックも控えていることから、“日本の伝統楽器に犬猫を使っている”というのはあまりよろしくないのではないか…ということもあり、新しい素材を研究しているんです。現在は、オーストラリアで駆除されたカンガルーの皮を使った三味線を試作しています。三味線の皮は“破れる寸前まで張る”のがいい音が出るための条件なのですが、カンガルーの皮は経験がなかったので、本当に手探りで。舞台でどこまで通用するのかが問題なんですね」。
 伝統の技を継承しながらも、新しいことに挑戦し続ける梅原兄弟。「やればやるほど課題が見えてくる。それがこの仕事の難しいところでもあり、面白いところでもあるんです」。兄弟の挑戦の日々は、これからも続いていく―。

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尺八や琴の楽譜も豊富。なんと「妖怪ウォッチ」や「花は咲く」の楽譜も!

70年の老舗の風格漂う店内

70年の老舗の風格漂う店内

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オリジナルで文字を入れることができる秋田杉で作った木札。オーダーも承りますとのこと

オリジナルで文字を入れることができる秋田杉で作った木札。オーダーも承りますとのこと

梅屋楽器店の看板を背負って立つ梅原兄弟。この世界に入ったのは和楽器のお稽古がスタートだったとのこと

梅屋楽器店の看板を背負って立つ梅原兄弟。この世界に入ったのは和楽器のお稽古がスタートだったとのこと

 

INFORMATION

店名
梅屋楽器店
住所
仙台市青葉区一番町三丁目5-27
営業時間
10:00~18:00
休業日
第1・第3・第5日曜日
TEL
022-222-8475
URL
http://www.umeya-gakki.com/

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2016.9.29 発行

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