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かつてのお侍が歩いた道を眺める
- 2016/10/5
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仙台市博物館
仙台城・三の丸跡に建っている仙台市博物館。周囲には、巽門跡や清水門跡が残されており、政宗公の時代のお侍が毎日のお勤めで参上した登城路を歩くことができる。二代藩主・忠宗公の時代には、太平の世になったこともあって、政治の中心は本丸よりも一段低い二の丸(現・東北大学川内キャンパス)に移っていたから、この登城路が日常的に使われていたのは、政宗公の時代のほんの短い期間とされる。だが、彼らがどんなことを考えながら、あの険しい道を歩きながら城にあがっていったのか。そんなことに思いを巡らせてみるのも面白い。
館庭にある政宗公の胸像は、仙台城址の初代騎馬像で、戦後仙台市に寄贈されたもの。現在の騎馬像も、同じ型で作られているというから、その顔は同じというわけだ。仙台城址では高い場所にある政宗公の顔も、ここでならじっくり拝することができるのだ。
ほかにも、支倉常長のレリーフや魯迅の碑,茶室の残月亭などがあり、この庭園もまた仙台の歴史にふれることができる、実に博物館らしい知的好奇心に満ちた場所といえるだろう。
また、正面には巨大ブロンズ像「逓―昨日・今日・明日―」が建つ。その名の通り、昨日から今日へ、今日から明日へと便りを届ける姿を表現。それはさながら、この場所が“知の記憶”を過去から未来へとつないでいることを暗喩している。
四季折々に美しい姿を見せてくれる館庭。白萩が風に揺れ、どんぐりの実がコロコロと転がり、残月亭は赤い楓の葉で彩られる秋。ゆっくりと散策を楽しみたい。
そして、少し仙台市博物館からは離れるが、歴史ロマンを感じる場所としてぜひ訪れてほしいのが、先述した二の丸跡にある扇坂と、大橋だ。扇坂は、現在の東北大学川内キャンパスに隣接した坂で、忠宗公以降の藩政時代のお侍が城に上がっていくのに使った道なのだ。この東北大学があることと、仙台国際センターがあることで、この地域はアカデミックな雰囲気に満ちている。
そんな地域と、都会の喧騒を分かつのが、大橋。この大橋から北側を眺めると、川底に大きな穴が開いているのが見てとれる。これは、かつての大橋を支えていた柱の穴。明治時代半ばに鉄橋に架け替えられるまでは、この北側に大橋があり、お侍たちはそこを渡って毎日のお勤めに励んだのである。昇進を夢見ていた人も、なんなく浮かない気持ちを抱えながら登城した人もいただろう。そんなことを想像するだけでも、面白い。(文責 街ナビプレス仙台編集部)
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仙台市博物館
仙台市青葉区川内26番地<仙台城三の丸跡>
☎022-225-3074
開館時間/9:00 – 16:45 (入館は16:15まで)
休館日/月曜日(祝日・振替休日の場合は開館)祝日・振替休日の翌日(土・日曜日、祝日の場合は開館)
※館内施設改修工事のため、2016年12月28日~2017年3月31日まで休館予定
HP/仙台市博物館