街ナビプレス仙台Vol.108/1月号の特集「仙台伝統野菜」で紹介したお店、「こだわり料理 縁」の土井明親方が料理教室を開いています。 3月初めに行われた基本コース第1回目のテーマは「鰹出汁の取り方」。「ちゃんとした和食の基本を知りたい!」と、私も参加させていただきました。
材料は、水・鰹の削り節、昆布の3つ。さすがにお店で使う出汁を取るための材料の量は半端ありません。水3600cc、昆布40g、削り節60g(これはボール約1杯になります!)。家庭でこんなに大量の削り節を使うことはほとんどありませんね。大鍋で水の温度を60℃までに上げ、昆布を入れ、温度を保ちながら30分。
昆布が膨らんでくる様子が面白い!その後、昆布を取り出し沸騰寸前までの温度に上げて削り節を投入。すぐに火を止め、10~15秒待ってから濾します。
親方曰く「料理人によって出汁の取り方は違う。これは私が教わり作り続けているやり方です」と。新鮮な削り節と昆布、温度によるグルタミン酸の出方の違いなど長年の経験と勘が作り出す親方の出汁なのです。
こうしてで出来たのが“一番出汁”。出来たてを味見させてもらいました。
最初に鰹の香りが鼻を通り、口に含むと「The日本の味」と言わんばかりの“うまみ”がほわ~っと広がりました。塩も醤油も加えていないのに、このままスープとして飲めてしまうくらい濃くて美味しい出汁。出来たてを味わったのは初めてでした。
一番出汁で残った削り節と昆布に一番出汁の6割くらいの水を入れ、追い鰹(削り節を加える)をして火にかけ、沸騰後中火に10分かけて濾したものが“二番出汁”。お味噌汁はこの二番出汁で十分に美味しいとのことです。市販のだしつゆに“追い鰹”というフレーズがありますが、なるほどこういうことかと合点しました。
出来た一番出汁で作ったお吸い物で試食タイム。 具は、やはり一番出汁で作った卵豆腐と白魚、茹でた菜の花。
ウドで桜の花びらに見立てた飾りと木の葉を添えたお吸い物は、出汁が香る極上の逸品。春の季節のご馳走でした。
親方がカウンターの中で説明しながら実演し、生徒がカウンターに座って技を見せてもらう料理教室。親方の技をしっかりと見ることができ、その場で質問や驚きの声が上がる充実したひと時でした。
出汁の取り方はテレビや雑誌をみて何となくは分かっていたけれど、やはり目の前で実際に見ると納得度合いが違いました。このようにして手間暇をかけて作ることが、料理の美味しさにつながり、愛情料理に変わるのだと、今さらながらに気づいた自分でした。
さっそく帰り道、仙台朝市に寄り昆布と鰹の削り節を買い求め、夜にチャレンジ! まずは少ない量でマイ出汁を作ってみました。 右が一番出汁で左が二番出汁。写真がボケているのは感激で手がふるえていたから・・・。
自ら生産者を訪ね歩くなど、とことん素材にこだわり抜くことで有名な土井明親方。
和食の基本となる“出汁”へのこだわりもさすがのものでした。
次回の料理教室も楽しみです!
INFORMATION
- 店名
- こだわり料理 縁
- 住所
- 仙台市青葉区大町二丁目13-9 幸田ビル1F
- 営業時間
- 17:00~22:00
- 休業日
- 月曜
- TEL
- 022-263-1030
- URL
- http://kodawari-en.com/