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御年87歳の今もメガネ要らず!小さなテイラーの細腕繁盛記【Web深堀】

戦後のバラックの名残を今に伝えるような、小さな飲食店が立ち並ぶ東一市場。ここで60年以上にわたって丸八洋裁店を営んでいるのが、高橋智佐子さん。「私が仙台に来たのは、昭和23年。結婚がきっかけだったんです。主人もテイラーで店をもっていましたから、お互い忙しかったですよ。私は、それこそ子どもを背負いながらお客さまのお相手をしたり、ミシン掛けをしていましたっけね」と、当時を懐かしむ。

87歳とは思えぬほどしっかりとした応対でリクエストに応える高橋智佐子さん。東一市場のマドンナです

87歳とは思えぬほどしっかりとした応対でリクエストに応える高橋智佐子さん。東一市場のマドンナです

 38年前にご主人が他界してからは、たったひとりで店を切り盛りしてきた。「こんな小さな店ですけれどもね、一番町という土地柄、いろいろなお客さまに可愛がってもらいました。以前はオーダーもやっていたんですけれど、今は生地屋さんもなくなってしまって、オーダーメイドで洋服を作る人がいなくなっちゃったんです。あとはね、8年ほど前に腰の圧迫骨折をしてしまって、重いものが持てないの。だから、今はお直し専門。ジーパンやズボンの丈詰めもあるし、ウエスト直しに、昔のスーツのパットを外して肩を詰めてほしい…とか。もう本当、いろいろですね。

「裾上げはミシではなく手縫いで仕上げるのよ。ひと針ひと針とね」と、丁寧な仕事で仕上げていく技に敬服

「裾上げはミシではなく手縫いで仕上げるのよ。ひと針ひと針とね」と、丁寧な仕事で仕上げていく技に敬服

革製品以外のものはなんでも引き受けるつもりだけど、中には“ほかのところで直したら変になっちゃったから助けて”って言って持ってくる方がいるのね。直せそうなら引き受けるけれど、そうでない場合はお断りすることもあるんです」。

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愛用の道具に囲まれて仕事をする店内は智佐子さんにとって居心地のよい空間

愛用の道具に囲まれて仕事をする店内は智佐子さんにとって居心地のよい空間

工業用のシンガーミシンは60年来の付き合い

工業用のシンガーミシンは60年来の付き合い

 御年87歳の高橋さんだが「今でもメガネはいらないんですよ。針に糸を通すのだって、スッとできるのよ。かけるとかえって邪魔なのよね(笑)。本当は、もう引退してもいい歳なんでしょうけれど、やっぱり私は仕事が好きなの。辞めるって考えただけで寂しい。それに、長年培ってきたカンが大事なのよね、この仕事には。忙しい時にはお嫁さんにも手伝ってもらってね。体が動く限り、ずっと続けていきたいですよね」。そう言って高橋さんは、小さな体を丸めるようにして、ミシンに向かうのだった。

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東一市場の通路から、窓越しに高橋さんの姿が見えるとホッとする

東一市場の通路から、窓越しに高橋さんの姿が見えるとホッとする

今はお直し専門だが、かつてはオーダーメイドも受けていた

今はお直し専門だが、かつてはオーダーメイドも受けていた

INFORMATION

店名
丸八洋裁店
住所
仙台市青葉区一番町四丁目5-18
営業時間
11:00~18:00
休業日
土日祝
TEL
022-223-7790

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