作る人、売る人、買う人が幸せになれば
- 2016/9/29
- 仙台の文化, 商店街のこと, 老舗の横顔
- マーブルロードおおまち商店街
老舗といわれる店の暖簾をくぐるとなぜかホッとする。 仙台商人としての自負とお客様への何気ない心遣いがどこからか伝わってくる。そんな気がする。 マーブルロードおおまち商店街とサンモール一番町商店街には、そんな老舗の気概を感じさせる名店が数多く残っている。 仙台の商店街をけん引する老舗の中の老舗を訪ね歩いてはいかがかな?
こけしのお店 彩りそえるしまぬき
こけしや仙台堆朱、玉虫塗など宮城の伝統工芸品を取り扱う「彩りそえるしまぬき」の創業は、明治25年(1892)。初代の島貫建蔵が宮城県から煙草仕入鑑札を受け、「島貫煙草屋」を開業したのが始まりだ。5代目で現社長の島貫昭彦さんは「当時の広告を見ますと『煙草・砂糖・掛け物』とありますから、お菓子のようなものも売っていたようですね」と教えてくれた。

「作り手さんとの意思疎通が大切。そこから信頼と良い商品が生まれる」と、島貫社長

明治25年発行の煙草仕入鑑札と明治28年発行の菓子仕入鑑札
こけしなどの工芸品を扱うようになったのは、戦後のこと。伝統こけしなどを販売し、それらは飛ぶように売れたという。そういえば、一家に一本は必ずこけしが飾られていた時もあった。それから数十年の時を経て、今時代は第3次こけしブーム。店にも多くの若い女性客がこけしを求めにやってくる。「よく、『アンティークは扱わないのですか?』と聞かれますが、今頑張っている工人さんを応援したいので、うちは古品は扱わないんです」。

明治42年の暦広告。煙草や菓子販売がメインの商売だったことがうかがわれる

創業時の店の設計図面。「見世」の文字と方角が書き込まれている
昭彦さんは、工人とのコラボで、「明かりこけし」や雄勝石を使った「仙臺弦月ペーパーウェイト」などの新しい商品も開発。「作る人も売る人も買う人も幸せになれたらうれしいよね」。そう言って昭彦さんは笑った。

工人の技が生きる伝統こけしと現代のアイディアが生かされている「明かりこけし」

仙台・みやぎの伝統的手仕事と最先端の技術で作られている雄勝石「仙臺弦月ペーパーウェイト」
INFORMATION

- 店名
- 彩りそえるしまぬき
- 住所
- 青葉区一番町三丁目1-17
- 営業時間
- 10:30〜19:30
- 休業日
- なし
- TEL
- 022-223-2370