七夕を影で支える立役者
- 2015/12/16
- 仙台の文化, 商店街のこと, 老舗の横顔
- マーブルロードおおまち商店街
老舗といわれる店の暖簾をくぐるとなぜかホッとする。
仙台商人としての自負とお客様への何気ない心遣いがどこからか伝わってくる。そんな気がする。
マーブルロードおおまち商店街とサンモール一番町商店街には、そんな老舗の気概を感じさせる名店が数多く残っている。
仙台の商店街をけん引する老舗の中の老舗を訪ね歩いてはいかがかな?
七夕の老舗 鳴海屋紙商事 七夕企画室
「仙台七夕といえば、鳴海屋さん」いうほど、地元っこでは知らない人のいない鳴海屋紙商事。明治16年(1883)の創業当時は、若林区荒町で和紙や日用雑貨を販売していたという。

まさしく二人三脚で仙台七夕を継承し続けている蘭子さんと幸一郎さん。この絆は固い!

昭和当時の一番町の旧店舗
同社血筋6代目で本部長の鳴海幸一郎さんは「3代目である私の曽祖父の代より和紙と板紙などを専門的に扱うようになりました。そのころからすでに、七夕飾りの指南役をしていたようです」と教えてくれた。昭和50年代に入ると、鳴海屋さんに七夕飾り製作の依頼が舞い込むようになった。「お店や会社で、就業時間後に七夕飾りを作る…ということができなくなったので、黒子役の私どもへのご依頼が増えました。毎年、春の彼岸のころには、七夕飾りの製作を始め、ピーク時には総勢50名ほどのスタッフで作っています」。また、「竹材店さんが育てた立派な竹は、最後まで責任を持って再生させますよ」とも。仙台七夕まつりは密かに環境にも配慮したまつりでもある。

七夕の作業は竹の切り出しから始まり、その場で飾りつけ用の加工も行う

七夕まつり初日の早朝2時から飾り付けを始める

最終日には竹の撤収作業も行う。回収された竹は、仙台七夕竹紙プロジェクトの活動によって紙の原料にリサイクルされる
そんな七夕飾りの製作に30年以上従事しているのが、マーブルロードおおまち商店街にある同社七夕企画室の山村蘭子さん。九州の出身で、仙台へはご主人の転勤で来たという。「娘がね、幸一郎さんと同級生で。そんなご縁でお手伝いを始めました。最初は何も分からなくて手さぐりだったけど、今はもう楽しくて。同じものが作れないから大変ではあるけどね」といって笑う。まるで親子のように仲のよい蘭子さんと幸一郎さの強力タッグは、これからも仙台、そして世界中を七夕飾りで彩っていく。

下書きなしで和紙にハサミを入れる蘭子さんの熟年の技

貼る位置でニュアンスが違ってしまう飾りの取り付けは慎重。この飾りは海外に飾られる

七夕企画室の棚には、色とりどりの和紙やパーツが出番を待っている
INFORMATION

- 店名
- 鳴海屋紙商事 七夕企画室
- 住所
- 青葉区一番町三丁目1-16 PARM CITY131 6F
- 営業時間
- 10:00〜17:00
- 休業日
- 土・日・祝
- TEL
- 022-221-3451