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“職人の店”を受け継ぐ快活な3代目【Web深堀】
- 2016/2/25
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- クリスロード商店街
個性的な店が軒を連ねる名掛丁商店街の中で“街なかの下駄屋さん”として親しまれている「おはきもの林屋」。暖簾を守るのは、現在3代目の林守俊さんだ。「昔は、着物を着る人もたくさんいましたが、今は洋服の方がほとんど。それでも、七夕の時なんかは、浴衣で街なかに出てきた方が“ちょっと直してください”ってお店に寄って行かれることもあるんですよ。僕が3代目として店に出るようになってからは、招き猫などの和雑貨も扱うようになりました」。
聞けば「僕、実は技を覚えない気でいたんですよ。新しいものを買ってもらった方がいいかなぁ…なんて(笑)。でも、職人の店をうたっているからにはそうもいかないな…って。それで、ある方に教えていただいたんですけれど、そのお師匠さん、なんと左利き(笑)。右利きの僕には何が何だかわからなくて。それでもなんとか右利きでもできるよう工夫してくださってね。どうにかこうにか覚えることができました。本当は、じいちゃんから教えてもらっていればよかったんだけれどもね」と、守俊さんは快活に笑う。今は、花緒を作るのに5分、すげるのに15分ほどと、だいぶ熟練した。「とはいっても、もともとがぶきっちょですからね。まだまだですよ」と謙遜する。
ところで「おはきもの林屋」では、毎年、男女100足ほどの下駄を奉納している。「年に一度、“足が達者でいるように”と羽黒山に納めさせていただいています。毎日少しずつ作っているんですよ」。
守俊さんは「昔、それこそ祖父ちゃんの時代には、仙台に200~300軒もの下駄屋さんがあったらしいですよ。それでも初売りの時は行列ができたっていうんだから、どれだけ下駄だの草履だのの需要が大きかったかが分かりますよね」と。そんな中でも、商売を続けていけるのは「やっぱり一度覚えた技術は絶やしたくないですよね。それに、仕上げた下駄や草履を『すごくいいです!』ってお客さまに言ってもらえると、やっぱりうれしいです」。そう話す守俊さんの目には、職人としての矜持が浮かんでいた。
INFORMATION
- 店名
- 林屋
- 住所
- 仙台市青葉区中央二丁目6-6
- 営業時間
- 10:00~19:00
- 休業日
- 第二木曜日
- TEL
- 022-222-4430
- URL
- http://www.wasou-hayashiya.net/