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わが子の人生の節目に贈る印鑑それはいつしか、“思い出の品”に【Web深堀】
- 2016/2/26
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- 一番町四丁目商店街
この春、卒業や入学を控えて、新しく印鑑を作る…という人も多いことだろう。「一般的には、認め印、銀行印、実印の3種類を持てばいいと思います。認め印は宅急便などが来たときなどに押すもの、銀行印はその名の通り、銀行口座を管理するために使うもの、そして実印はその人を代行するものです。ですので、実印は本名で姓と名の両方を入れるようにしましょう」と教えてくれたのは、錦章堂の佐藤耕敏さん。
錦章堂で扱う印鑑の多くは象牙や水牛で「これらが印鑑の材料になるのは、丈夫だからなのです。プラスチックでは、経年劣化で欠けてしまうことがあるんですよね。象牙や水牛の場合、万が一欠けてしまったとしても、削ってまた新しく文字を彫ることができます。言い換えれば、自分の買った印鑑を子や孫まで、ずっと継いでいくこともできるんです。象牙はワシントン条約で輸入が禁止されていますが、いま日本にあるものは、輸入禁止前に仕入れてあったもの。印鑑は小さいので、大きな象牙からいくつもできます。うちにあるストックだけでも20~30年分くらいはあるんじゃないかな」と。その固い象牙に、文字を刻んでいくのが職人の技ということになる。「やっぱり一人前になるには、10年くらいはかかりますね。熟練してくると、だいたい1時間に1本のペースで彫ることができます。外国人の方のフルネームを彫ったこともありましたね。ただね、私はもう目がよく見えなくなってしまってね(笑)。今うちでは若い2人の職人ががんばっていますよ」と。
さらに佐藤さんは、「私がみなさんにお勧めしているのは、親御さんからお子さんに印鑑を贈ること。お子さんは、その印鑑を使うたびに親御さんのことを思い出しますでしょう。親御さんが亡くなったら、それはまた形見として大切にするじゃないですか。そういう思い出の一翼を私たち職人が担っているのだとしたら、それはとてもうれしいことですよね」。
人生の節目を起点に、何十年と使う印鑑。その人そのものを表すからこそ、いいものを選んでほしい。
INFORMATION
- 店名
- 錦章堂
- 住所
- 仙台市青葉区一番町四丁目5-24
- 営業時間
- 9:00~19:00
- 休業日
- 不定休
- TEL
- 22-265-3334