この先100年も一番町で堂々と続けていきたい
- 2015/12/16
- 商店街のこと, 老舗の横顔
- ぶらんどーむ一番町商店街
広瀬通を挟み南北に広がる商店街。
街の名前は「一番町」。通りの名前は「東一番丁通り」。江戸時代は侍の街であったこの界隈も、時の流れとともに老若男女が集うにぎやかなショッピングエリアへと変化を遂げたのである。
そういえば「番ぶら」なんていう言葉もありました…。
ぶらんどーむ一番町商店街と一番町四丁目商店街、これからの発展が楽しみである。
赤飯とそばの店 こわめしや
明治時代に創業した「赤飯とそばの店 こわめしや」。せいろで蒸す昔ながらのこわめし(赤飯)が通年食べられる人気店だ。3代目の菅原和男さんは、「戦争の前は、近くに憲兵隊の建物があってね、よく兵隊さんが食べに来ていたようですよ。でも、戦争の後は、本当に何にもなく なっちゃったよなぁ。ここから仙台駅が見渡せたんですよ。うちはこんにゃく粉を伸ばして麺にしたものなんかを屋台で売っていたんだよね。あの時代は食べら れるものは何でも食べたから。それからバラックになって、昭和23年(1948)くらいに店建てて、今の所になったのは60年くらい前だったかな。いわゆ る区画整理ってやつでね」。79歳の今も毎日厨房に立つ和男さんは「毎日、気温とか考慮しながら少しずつ変えてふかすんですよ。天気に合わせた仕事だわね (笑)。もうこれはずっと変わらないですよ」。

湯気の立つ蒸したてのこわめしは自然なあずきともち米のやさしい色合いで、まるで桜の花びらのよう。時間が経つと赤みが増し赤飯の色に変わる。仕上げにごま塩をふりかければ老舗の味の完成

業種がそのまま店名になっている「こわめしや」

純和風の落ち着いた店内でゆっくりこわめしとそばを堪能できる

こわめしは大きなせいろで約30分蒸し上げる。この湯気が美味しさの証。昔はかまどで薪を使って蒸していたとのこと
息子の隆行さんも専務として店を支え、親子で店を切り盛りする。「よくね、転勤なんかで仙台から離れていた人が久しぶりに仙台に戻ってきて『まだあったんだ!』って。そうすると、やっててよかったなぁって思うよね。そんな風に、この先100年も一番町で堂々を商売が続いていってほしいよね」。

約60年前から使っている一枚板の看板。以前の店舗では外に掲げていたが、今の店舗では店の中でお客様を迎えている

毎日朝の6時半から厨房に立つ3代目の和男さん。
昔の地図の街並みにある店の名前を指差し微笑む姿に老舗店主の大らかさを感じる
INFORMATION

- 店名
- 赤飯とそばの店 こわめしや
- 住所
- 青葉区一番町三丁目11-14
- 営業時間
- 11:30〜20:15
- 休業日
- 木曜
- TEL
- 022-223-8457